電験3種学習上の相談サイト
(過去の”質問”と”回答”のサンプル)
○電気書院 **** P34 の内容についてお願いします。
P35(3)式の分母R+2r+(r2乗/R) が、
次ページで(3)式の分母はR×r2乗/R=r2乗(一定)となるので...
とありますが、この表現の部分が理解できません。
●これは、P35上部に記載している最小定理を使用しています。
「〜二つの積が一定であるとき、〜2数の和は最小となる。」
つまり、“二つの積が一定という条件”を満足していれば、最小定理が使えるということです。
そこで、“R”と“r2乗/R”をかけ合わせてみると、
分母と分子にRがあるので、Rは消去できます。
そして、r=2[Ω]であることは、問題文から与えられています。
だから、r2乗=4[Ω](一定)となり、最小定理が使えることを確認できました。
従って、お問い合わせの式「R×r2乗/R=r2乗(一定)」は、
“二つの積が一定という条件”を確認するための式なのです。
○オーム社 **** P87〜P88 二電力計法
P88
W2を求める計算において
W2=V32I3COS(30°−30°) とありますが、図55のベクトル図を見て
V23I3COS(−180°)でも良いと思うのですが、どの様に頭を整理すれば
よいのでしょうか?
●単相電力計W2の電流測定端子は、E3に接続されています。
つまり、電力計算に使用する電流値は、I3です。
従って、電圧も V32ドット(=E3ドット−E2ドット) を使用します。
なお、「線間電圧」と「相電圧」の関係は、下記の通りです。
V12ドット=E1ドット−E2ドット
V23ドット=E2ドット−E3ドット
V31ドット=E3ドット−E1ドット
○オーム社 **** P67 平衡三相回路の電流とリアクタンス
(a) の解説の計算式です。
√3XL=√3XL´IL´=√3・XL/3・IL´=(XLIL´)/√3
の赤字の部分の変換です。
赤字の部分を見るとXL´=XL/3 となりますが、これは公式にあたいするものですか?
●これは「理論公式集 基礎・計測」No27 Δ−Y置換 の公式より導き出せます。
(題意より“平衡三相回路の負荷”となっているためこの公式を使用できます)
上記公式より、
XL’=XL^2/3XL=XL/3
となります。
○オーム社 **** P20〜P21 円形コイルの中心磁界です。
P21中ほどにΔlによる磁界の強さをΔHとすると、θ=π/2〔rad〕だから とありますが、
θ=π/2〔rad〕はどこから来た数値でしょうか?
●これは電験3種というより、数学で躓いています。
θ=π/2〔rad〕は、90°です。
もし、これが分からなければ、お奨めの参考書の
「****」のP106をご確認ください。理由が分かります。
そして、図16より、円の中心から下ろされた垂線は円周と垂直(90°)に交わります。
図16には、垂直に交わっている記号も付いています。
従いまして、θ=π/2〔rad〕は、垂直に交わっているところから来たのです。
○鳳・テブナンの定理が理解できず、先に進めません。
例えば「****」のP21の解説
の理解に苦慮しております。
a点およびb点の電圧の求め方が理解出来ずに
困ってます。
●これはオームの法則で解けます。
例えば、
Va=12/8×4=6
の場合ですと。
Va=I×R4(0電位側の抵抗)
です。
次に、
I=V/R(合成抵抗)
さらに、
R=4+4=8
題意より
V=12
従って、最初の
Va=12/8×4=6
が成り立ちます。
このようにオームの法則は電験3種全般を通してたびたび登場します。
今はそれを使いこなせていないだけです。
オームの法則は式だけを見れば、理屈が単純ですぐに分かります。
しかし、これが落とし穴なのです。
なぜなら、式は単純ですが、電験3種の複雑な問題で使いこなすには慣れが必要だからです。
つまり、量稽古。
但し、コツはあります。
コツは、最初に「電流」を求めることです。
上記の例で言えば、回路図の上側の電流を求めます。
その電流に右側(0電位側)の抵抗の値をかけて電圧を求めればよいのです。
繰り返しますが、電気計算では「電流の値」を求めることが重要です。
○相談なんですが、現在、下記のところ、理解しにくいところです。
理論:トランジスタ NPN PNP型の概要は、理解できるのですが、
それ以降(ベース接地、エミッタ接地、コレクタ接地の考え方、使い方、
使い分け〜、違い)が理解がはかどりません。
●Nさんは、高校が普通科卒業ですから、
B問題はトランジスタでなくほかの問題を選択したほうがよいですよ。
トランジスタなどの電子回路の計算問題は、毎年出題されています。
ご存知のように、当方の教材でも出題頻度は、Aランクにしております。
しかし、過去8年間の調査では、ほとんどがB問題の選択問題です。
A問題で出題されたのは、平成16年に1問出題されただけです。
従いまして、電気科卒以外の人が、電子回路の勉強をすることは
学習時間の分散になってしまい好ましくありません。
電気科卒の人ですと基礎力があるので復習の意味で読むことは有効ですが・・・。
本試験ではもう一方の問題を選択して正解できるように、
普段の勉強をしておいた方がベストだと思います。
参考までに、選択問題のもう一方の問題を記しておきます。
B問題 選択問題(いずれかを選択する)
平成21年度 トランジスタ増幅回路 平行平板コンデンサ
平成20年度 アナログ変調・復調 クーロンの法則
平成19年度 トランジスタ増幅回路 電気基礎(電流と電荷の関係)
平成18年度 トランジスタ増幅回路 平行平板コンデンサ
平成17年度 FET増幅器 平行平板コンデンサ
平成16年度 トランジスタ増幅回路 直流回路の抵抗と電圧
平成15年度 演算増幅器 直流回路の抵抗と電圧
平成14年度 トランジスタ増幅回路 直流回路の抵抗と電圧
なお、電子回路の論説・空白問題は、A問題に毎年2,3問(H14,21は1問)出題されています。
これらの問題は、お奨めの参考書を読んでおけば、ほとんど正解できるレベルの内容です。