電気主任技術者試験 過去のメール相談と回答サンプル

<お問合せの件>


> 直流回路の問題がにがてで、見たことがない問題をやろうとすると
> 最初の式をたてるのが、なかなか思いつかず苦戦しています。

> 最初にどう式をたてたら良いのかがなかなか思いつかな
> いのです。オームの法則のみ知っていれば解ける問題なのに、解けない事が多い
> のです。

> ちなみに解けなかった問題をあげてみますと、過去問題の平成18年度・問5と
> 問6、平成17年度の問5等々です。

> アドバイスがあればご指導をお願いします。具体的な
> 質問でなくてすみませんが宜しくお願いします。



○Oさんは、大変熱心に電験3種に取り組んでおられることが
 メールを読んでいてよく分かりました。このような方にはぜひ
 とも、合格して電気主任技術者になっていただきたいと存じます。



 さて、ご相談の件ですが、おっしゃられるようにいずれもオーム
 の法則の応用で解答できる問題です。



 電験3種理論の8割は数学です。数学はひらめきの学問とも言われています。
 10〜20代のころは、ひらめきが秀でているので、少し努力をすればすぐに
 最初の式を立てられるようになります。



 しかし、30代にさしかかるころからこのひらめきが衰えてきます。

 ではどうすればいいのでしょうか?



 その答えを言う前に、大事なことを申し上げますので
 少しだけお付き合いください。



 数学の根底にあるのは哲学です。
 「哲学を知らない数学者は数学者ではない。」といわれるぐらいです。

 では、数学の元になる哲学とは何でしょうか?

 これは私の考えですが、哲学とは”基本構成要素”を
 発見する学問だと考えています。

 そして、数学はその基本構成要素を応用する学問ではないでしょうか。



 さて、最初の質問に戻りますね。



 ■オームの法則の基本構成要素は、

  I(電流)、R(抵抗)、E(電圧)の3つです。



 ■直流回路の基本構成要素は、

  直列回路、並列回路の2つです。



 どんなに複雑な直流回路も上記の”3つの要素”と
 ”2つの回路”の組合せで作られています。



 そこで問題を見たら、まずこれらが明確になるように図形化し、
 問題に与えられていない記号を書き込んでいってください。



 例えば、

 H17問5は、すべり抵抗が入っていますが、

 1.これを分かりやすい直・並列回路に書き直します。
   (等価回路に直すともいいます。)

 2.次に、問題に与えられていない電流・電圧の記号を自分で
   書き込んでいってください。



 ここまでやれば、あとはマニュアルに書いている手順で
 オームの法則を組み合せていけば解答できると思います。



 若いうちは、問題を見ただけで解答手順がひらめくのですが、
 30才前後のころからは、ひらめきのきっかけが必要になります。



 ”図形化”と”記号”の書き込みが、ひらめきのきっかけとなります。
 ぜひ、試してみてください。



 なお、1と2のコツを披露しておきますね。



 1は、電池に対する抵抗の位置関係を明確にしてください。

 あくまでも、電池に対してです。抵抗同士ではありません。



 2は、電流の記号を必ず書き込んでください。

 直流回路の基本は”電流値”を知ることです。

 電流値が分からなければ電圧値も抵抗値も分かりません。



 実は、多くの受験生はこのような基本的なコツを知ら
 ないために少しひねった問題で戸惑うことがよくあります。

 また、何か疑問点がありましたら、いつでもメールでお問い合わせください。





> 「体系的電気公式集」の「直流機基本」で
> 直流電動機 電気的出力と機械的出力 の意味と関係
>
> 直流発電機 機械的入力と電気的入力 の意味と関係
>
> 何か混乱してよくわからなくなってきました。
>
> どう理解したら良いのでしょうか?



○まず関係ですが、下記のごとく同じです。
 電気的出力=機械的出力
 電気的入力=機械的入力


 次に意味ですが、
 単に表現の違いだけです。

 例えば、
 「電気的」の方は、電機子電圧×電機子電流
 「機械的」の方は、回転角速度×トルク
 ですので、このように表現を変えています。

 この公式集は、できるだけ多くの表現方法を取り入れています。
 理由は、本試験で知らない用語が出てまごつかないようにするためです。

 電気用語は明確に統一されていません。

 だから、市販の参考書は表現の仕方がまちまちです。

 そこでこの公式集では、できるだけ多くの表現を集めて
 同じ「出力」でも使い分けた方がよい場合は電気的・機械的と
 用語上使い分け、さらに同じ「機械的出力」でもほかの表現が
 ある場合は、(発生動力)という具合に括弧で同じセル内に
 記載しております。





> 逆起電力や誘導起電力を、EではなくMやGで表示しているのはどういう意味があ
> るのですか?



○Mはモーター(電動機)であり、Gはジェネレーター(発電機)を表す記号です。






> 電動機の端子電圧と発電機の定格電圧は、同じようなところの電圧だと思うの
> ですが、ちがうのですか?



○電動機の端子電圧は「入力電圧」であり、
 発電機の定格電圧は「出力電圧」に当たります。

 このあたりは言葉の問題ですが、例えて言うと、
 トンネルには入口と出口がありますよね。
 どちらが入り口でしょうか? 

 どちらも同じようなものですよね!

 自分が入った方が入り口と言っているだけです。

 電動機の場合は、端子にかかる電圧は入力電圧ですが、これを慣習的に
 「端子電圧」といっています。発電機の場合は、端子にかかる電圧は出力電圧
 ですが、「定格電圧」といっています。もちろん、参考書によっては別の表現
 をしているかもしれません。 





> 発電機の定格出力とは、負荷で消費する電力のことですか?



○ここは勘違いされやすいのですが、
 「定格出力」と負荷の「消費電力」はまったく別物です。
 ご注意ください。

 「定格出力」はその名の通り”出力”です。
 「消費電力」は言わば”入力”側です。

 「定格出力」の”定格”は最大で出力できる値のことですが、
 負荷で消費される「消費電力」は、負荷(モーター、ヒーターなど)
 により変化します。つまり、いつも最大とは限りません。

 これも例え話をしますと、
 自動車の最大馬力が200馬力だとしても、いつも200馬力を
 使っているわけではないということです。

 電験3種の勉強を開始して間もないころは、負荷によって消費電力が変わる、
 という意味がピンとこないかもしれません。私がそうでした(笑)。
 
 また、言葉の一つひとつで引っかかると思います。私がそうでした(笑)。
 
 しかし、市販の参考書には言葉に関して細かい説明はありません。
 もちろん、日常生活に例えた話もありません。

 だから、ほとんどの受験生は中途半端な理解のまま先に進まなければなりません。
 これではストレスがたまる一方ですよね!
 このような状況を回避するために、メール相談を設けました。





> Ia=If¢Φとはどういうことですか?



○Ifとφの間にあるのは数学の比例記号です。





> 機械的入力と電気的入力とは何ですか?



○機械的出力のミスプリだと思いますが、
 電気的入力=機械的出力+機械的損失(摩擦)+電気的損失(鉄損+銅損)
 の関係とご理解ください。

 これも車に例えると、ガソリンの持つエネルギー(入力側)が、
 車の走行(機械的出力)に消費されるときに、機械的摩擦や電気系統
 の発熱などの無駄なエネルギー損失を伴うということです。





>公式集 理論17 短絡と開放の意味の違いが理解できていません。



○短絡とは、a点とb点を直接つなぐことです。





> ということは、この場合は、R5を取り除くということですか?



○取り除くと考えた方が分かりやすいと思います。

 ただし、取り除いても除かなくても電気的には同じです。

 取り除かずに短絡するということは、短絡線とR5は並列
 になりますから、R5に電流は流れません。
 つまり、R5は存在しないのと同じことになります。





> 直流回路の2?求める電流のVと、交流回路2RLC直列回路の電流のEです。
> 同じ電流を求める公式で、電圧を表す記号が、Vの場合とEの場合があるのがわか
> らないです。



○結論から申しますね。
 V、Eは、文字記号ですので任意に決めてかまいません。

 ただ、慣習的に直流回路の抵抗にかかる電圧は V を使います。

 交流回路の素子(抵抗、コイル、コンデンサ)にかかる電圧の場合は、
 E を使い、端子電圧は V を使うことが多いようです。
 公式集はそのようにしています。


 文字記号はそれほど気にしなくてもいいですよ。
 本試験などでは、試験問題制作者が任意に決めているのですから。
 注意すべきは単位記号のほうです。



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